UMPC その1 - OQO Model022009/05/07 13:58

普段の仕事環境では PC は不要で、 Omnia で十分なのですが、外出時、画面に向かう時間が長いときや、VPN で会社のネットワークにつながなければならないときは、iPAQ 等価なものか、PC があると便利です。

最近 iPAQ とまではいかないけど、遜色のない大きさの UMPC がでてきたので、超小型な UMPC を試してみようと思い探していましたら、今のところ OQO社の PC が実用スペック(Linux 専用とか、ストレージ容量が 30GB 未満は除く)では一番小さいようです。

そろそろ Model2+ という、CPU が ATOM となり、メモリも 2GB で、液晶でなく有機 EL のが出てくるようですが、初物はなにかと問題があったり納期の問題が出てくるので、枯れた Model02 を探すことにしました。

日本での価格は論外。ある代理店が扱っているようですが、US の倍の値段を取っています。すごい商売です。

海外で探すと、もう Model2+ の発表もあり、在庫処分状態でモノも少ないようでした。いろいろとさがして、一番電池が長持ちしそうな 1.2Ghz のものを約 11万で入手。
購入した先は、B&H Photo and Video という、日本でもカメラ愛好家には有名なところらしく、NY マンハッタンで店も出してるし通販もしており、日本で言えばヨドバシカメラのようなお店。 対応も非常にちゃんとしていました。
UPS での輸送を待って、注文から 5日くらいで到着。
早速 Windows XP tablet edition を install し(これが結構厄介でしたが)、デジタイザペンを入手して使うも、全く反応なし。

OQO に電話して聞くと、なんと 1.2Ghz 版のみ、タブレット対応無し、だそうでして....
どこにそんなの書いているんだよ?! と聞いたら、PDF のカタログに小さく
"このモデルはタブレットは対応していません"
との記述有。でもその PDF は購入当時 OQO サイト内ですでにリンク切れになっていて、見つけようがありません。OQO の Knowledge base でも「全モデルでデジタイザ対応」との記述があるくらいです。
インターネットで購入した先にその旨を説明したら、 RMA 申請を受けてくれましたので返品となりました。ちゃんとした店での購入だったので、RMA 等のアフターサービスにもちゃんと対応してもらえました。

代わりとして、1.5Ghz のものを再注文、今度は Windows Vista 版でした。これも 5日くらいで到着し、デジタイザペンを試すと、今度は使える.....でも Vista は重いので、XP tablet edition を install しました。

標準のバッテリだと、使用時間は 2-2.5時間ほど。iPAQ との比較の対象ではありませんね。しかし PC のソフト(VPN クライアントなど)はすべて動きますし、Omnia 経由での携帯接続も楽勝。
OQO のデジタイザは、iPAQ のような感圧式タッチパッドとは違い、電磁誘導式なので、デジタイザペンが空中マウスのような使用心地(説明が貧弱ですが....)。タッチしていなくてもマウスは動きますし、ちょん、と画面をつっつくとクリックになり、押し続けると右クリックになります。これはよさそうです。OQO に、タッチパッドよりデジタイザを選んだ設計者に拍手です。

さすがに 2時間しか持たないバッテリでは常に AC アダプタを持ち歩かねばならないので、バッテリと充電アダプタを買い増そうと、インターネットで探してみました。

ところが、どこにも在庫がありません。ある業者によると、Model2+ 生産にあわせて 5月までは出てこない、とのことでした。
それでもどこかにないかいろいろと探しましたが、どこにもなく、しょうがないのである UMPC の通販業者(buildyourumpc)に注文を入れておきました。

しばらくして、この業者から、「OQO から model2+ はリリースされず、またすべての OQO 製品の注文をキャンセルする」との案内がありました。
OQO の情報交換サイト
http://www.oqotalk.com/
や、UMPC 情報サイトにも、OQO 社が資金繰りが尽き、売却先を模索している、などの情報もあり、eXpansys が OQO 製品から撤退し、また、OQO 社のサイトから Shopping のリンクと Download のリンクが消えました。

つまり、OQO は倒産確実で、もうオプション品を入手することはできない、と言うことを示しています。

たしかにあのサイズでキーボード付きであの使い勝手は最高ですが、オプションが入手できないだけでなく、有料でも修理が受けられない可能性があるというのは、考えものですね。

せっかく買いましたが、これも売却することにします。というのも、韓国から、Viliv S5 という、キーボードはないが OQO とサイズ的に遜色ないが電池が最低でも 4時間持つ UMPC が、なんと 5万ちょっとで手に入ることが分かったからです。

いくらで売れることやら....Viliv S5 が買える値段が付くといいのですが。

Omnia どーですか?2009/05/10 22:23

Samsung の Omnia i900 は、

Windows Mobile 6.1
大きさはまさに携帯。iPhone をちょっと厚くして、小さくしたような形。
125g, 112 x 56.9 x 12.5 mm
タッチスクリーンで使い勝手も iPhone 風。
WQVGA(240 x 400)
Flashメモリ 16GB 内蔵 + microSDHC スロット(合計32GBへ)
Windows Mobile 用の MS Excel, Word, Powerpoint 付き
HSDPA 対応(Softbank のデータカードは使える,)、GSM (海外ではメジャーな通信方式)。
Bluetooth 2.0+EDR (A2DP の音質はバッチリ), WiFi 対応。
5M pixel のデジカメ機能。
GPS 付き

携帯機能を使わなくても、この小ささで Bluetooth 音楽 player となり、PDA であり、GPS 機能もあるのでナビにもなる(Google map か別売の地図は必要)

au を使ってて、海外に行くことがそこそこある人は、海外用携帯としても使えます。

こんな Windows Mobile が 5万円 だったらどうです?

私のを売りに出すわけではありません。

興味のある方はこちらを探してみてください。
http://www.ebay.com
日本語版でなく、英語版を選んでください。
有名なオークションサイトですが、新品を販売しています。
ここで、"Samsung Omnia 16GB" で検索してみてください。
日本までの送料も表示できます。そうすると、合計で $500- 以下で販売している店がいくつもあります。だいたいは香港かオーストラリア(といいながら販売者は香港の業者だったりすることもあるので要注意)。

FedEx 等で送られて来るときには、税関で消費税(だいたい \2,000- くらいか)がだいたい請求されるので、実質 5万2千円くらい。もちろん $1 が 100円のいまならですが。

Gadget 好きな人には良いおもちゃになると思います。もちろん Windows Mobile として PDA の機能はなかなかですよ。

もちろんこれで万事うまく動くわけではありません。
まず、どこの国用の物が送られて来るかは分かりません。
英語版が送られて来れば大ラッキー。もし英語で質問が出来るなら、OS language は English か、買う前に聞くといいと思います。
私の場合は、そんなことも想定せず当然英語版だと思ってたら、ポーランド版が送られて来て焦りました。なにせ電源起動した先、なんて書いてあるのかまったく分からず setup が進みません。だいたいポーランド版ということが分かったのも、ROM を書き換えた相当後でした。

しかし、各国版の ROM が出回っています。日本語版はありませんが。
http://www.pspmyspace.com/omnia/omnia-firmware-guide.html
http://forum.xda-developers.com/showthread.php?t=418917
あたりが参考になります。

次には、日本語の表示を可能にせねばなりません。英語版であっても、日本語が全く表示できません。これは、
"Windows Mobile 日本語化"
というキーワードでググって見てください。

wince.nls というファイルを日本語版のモノに置き換えるとか、
wince.nls 日本語版のファイルをどう手に入れるかとか、
wince.nls を起動時から有効にするためにはどうするとか、
msgothic.ttc 等の日本語フォントを用意するとか、
とあるソフトで日本語フォントをデフォルトで使用するようにするとか、
あたりが鍵だと思います。

これで、メニュー等は英語ですが、日本語表示と日本語を使っているソフトが使用できます。実用上まず問題ありません。

あとは、....日本語入力。こればかりは買うしかありません。ATOK か、FSKAREN か.... 私は日本語入力はあきらめてます。ネットや辞書を使うときにどうしても日本語(かな)を入力しなければならないときだけ、下記のを使っています。

http://www.ookii.org/software/japaneseinput/

手書き認識は、まず期待通りに動かないので、ひらがなキーボードだけ使ってます。

そこまでして 携帯型 Windows Mobile を使いたい人は....
普通 EMobile とか Softbank の Touch Diamond とかを契約して使ってますか....
故障の時の保証も、一筋縄ではないでしょうからね。

さようなら OQO2009/05/15 01:07

OQO社がとうとう終わってしまったようです。

http://www.oqotalk.com/index.php/topic,3925.0.html

ビジネスというものは難しいですね。
Model2+ を release する資金繰りさえつけば、首がつながったかもしれませんに。それともやはりまだここまでのマシンはニッチから出られないってことでしょうか。

UMPC その2 - Viliv S52009/05/16 22:49

無事 OQO が売却できたので、早速 Viliv S5 を手に入れました。

これ、OQO よりいいかも。
横幅は 1cm ほど増えましたが、左右の部分が持ち手になりますし、使い勝手がいいです。スライド部分がない方がすっきりしていいです。
キーボードはないですが、ソフトキーボードで十分代用できますし、モバイル用としては十分です。OQO のキーボードも、長文が打てるしろものではありませんでしたし。

手に入れたものが韓国で販売されている I-Log というタイプだったので、OS から入れ替えました。

1) USB メモリもしくは USB HDD から boot する Knoppix をセットアップする

"usb boot knoppix" のキーワードで検索すれば、セットアップ方法はたくさん見つかります。

2) Knoppix を USB boot する

キーボードやマウスがありませんので、USB ハブ、USB キーボード、USB マウスが必要です。USB ハブに、USB メモリ(もしくは HDD)をつなぎます。
また、USB メモリから boot するよう、BIOS の設定が必要です。BIOS 設定画面を出すには、電源 ON 後、Viliv の起動ロゴが出てきたときに、本体の Menu キーを連打します(本当は一発でいいそうです。押しっぱなしだと認識しません)。

3) Viliv の HDD のバックアップを取っておく(Optional)

4) Viliv の HDD を FAT32 でフォーマットする

要は、DOS(Windows98 の boot 部分) をインストールし、WINNT.EXE を起動して OS のインストールをしようという計画ですが、そんなことをせず Viliv の HDD を NTFS のままただ format し、USB メモリから DOS を起動してそこから WINNT.EXE を起動してインストールすればいいことなのだと思います。しかし、うまく HDD に OS をインストールすることが出来なかったので、こんなに回りくどいことをしています。

また、Viliv の HDD はパーティションが 2 つに切れていて、後ろの 5GB はリカバリ用領域になっています。韓国 OS のリカバリはいらないので、パーティションも1つにしで FAT32 にしておきます。

5) Viliv の HDD に、Windows XP のインストールディスクをコピーしておきます。

今回は、Windows XP Tablet PC edition を使いました。

6) Knoppix を終了し、

7) USB フロッピーもしくは USB メモリから、DOS (Windows 98 のリカバリディスクにあるもの)を起動します。

8) Sys D: 等のコマンドで、Viliv の HDD に DOS system を転送します。

9) Viliv を普通に再起動し、DOS を立ち上げます。

10) コピーしておいた WindowsXP のインストールファイルを使って XP をインストールする。

i386 ディレクトリにある WINNT.EXE を起動します。またその前に、smartdrv.exe を実行しておかないと、インストールにすごく時間がかかります。

11) XP をインストールする

ここで、FAT32 から NTFS にすることができます。
XP の SP3 をあらかじめ用意しておきましょう。IT プロフェッショナル用、という、100MB 級の、ネットワーク接続がなくてもインストールできる SP3 をダウンロードします。
SP3 にしておかないと、Viliv の WiFi ドライバがきちんとインストールできません。

12) Viliv 用ドライバをインストールする

今は Viliv 社に upload されていますが、
http://forum.pocketables.net/showthread.php?t=2592
からも入手が可能です。

日本語 IME をセットアップすれば、Viliv のソフトキーボードで日本語入力も OK。もちろん、日本語 ON/OFF キーはありませんので、それに相当するキーアサインが必要なのと、キーボードは US キーボード設定が必要だと思います。

外に持ち出して、ちょっと使うには非常に使い勝手がいいですね。
OQO も悪くはないですが、持ち手がないので、LCD をスライドしてキーボードを持って使うのが前提な PC 何だと思います。そうすると、なんか軽快さを感じないんですよね。求めているのが PDA ライクなマシンだからでしょうか。

Viliv S5 は、文字を打ちたければソフトキーボードで何とかなりますし、どうしてもキーボードが欲しければ、ワイヤレスキーボードを使えばいいです。そこまでの場面はそんなにないので、ソフトキーボードでとりあえず十分です。なにより PDA ライクです。

今円が高いのでおすすめです。
もともと US の OS が入っているものが、
http://www.dynamism.com/
で販売しています。輸送費含めて 7万弱。

韓国だと、6万あれば輸送費込みでもおつりが来ます。別途 install する OS を持っている方のみ、ということになりますが。また、韓国品は日本からは保証の対象にならないので注意です(Viliv 社は送っても対応してくれないようです)。

非常にできが良い UMPC です。Samsung Omnia といい、韓国の技術の高さを感じてしまいます。日本でもこういうのをさっくっと作って出して欲しいですよね。

Viliv S5 電池の持ち2009/05/17 12:08

電池はネットを常に使うような作業を継続して、4時間はまず持ちます。
使い方によっては6時間持ちそうです。例えば、ネット接続なしでエディタ作業、ドキュメント閲覧など、CPUパワーを酷使しない使い方。
OQOより若干増量されてはいるが(6200mAh)同様な大きさのバッテリで倍以上持つというのはかなりイケてます。予備バッテリを持ち出せば、ほぼ一日の仕事をカバーします。
バッテリもUSで $50と OQOの 1/3 (韓国だとさらに半額)と非常にリーズナブルな設定。

現在の問題点は、
- バッテリ残量表示が 10% 刻みでしか表示されない。
- バッテリ残量表示が +-20% くらい変動することが有る。なので、今残量が 20% と表示されていても、何かの負荷変動で突然ハイバネーションに入ることがまれに有ります。

ドライバのアップデートでなんとかなって欲しいです。

ハイバネーションからの復帰時間は20秒以上、ハイバネーション終了時は30-40秒はかかります。通常のノートPCよりは時間かかりますね。
これも OQO 並み。

PDAとはいきませんが、そこそこ似たような使い方ができ、使えるアプリケーション数は圧倒的。これは相当使えそうです。

そのうち、ハイバネーションでなくサスペンドを多用したときの電池の持ちを評価してみたいと思います。サスペンドの投入・復帰は数秒ですみます。
公称200時間のサスペンド維持時間ということは、2時間で1%しか減らないということですから、iPAQ に CF カード刺しっぱなしでの OFF と何ら変わりはありませんので、サスペンドを使えば一日使ったりoffしたりを繰り返す PDF的な使い方が出来そうな可能性大です。